TOP患者さんとご家族へのメッセージ患者さんとご家族の声さまざまなサポートでポンぺ病の治療と仕事を両立 ~自分ひとりで考え込みすぎないで~

患者さんとご家族へのメッセージ

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患者さんとご家族の声

ポンペ病は、乳幼児の病気だと思われることが多いですが、あらゆる年齢で発症する疾患です。発症時期の違いにより、乳児型、小児型、成人型の3つのタイプがあります。Kさんは、30代の時に成人型ポンペ病と診断され、当時は治療法がなかったため、日本でできるだけ早く治療薬を使えるようにするための活動に尽力されました。今も治療と仕事との両立を続けていらっしゃいます。そんなKさんに、診断までの経緯や治療について、お話を伺いました。

酵素補充療法で、50歳を超えた今も呼吸機能を維持 ―治療法の確立を目指して

患者会が設立された当時、ちょうど海外でポンペ病の治療薬の開発が行われているところでした。患者会では、日本でもできるだけ早くポンペ病の治療法が確立されるように、全面的にバックアップしていこうというのが共通認識でしたので、私も東京や大阪などで開催される学会などに出向き、専門医にコンタクトをとったり、陳情したり、いろいろな働きかけをしました。
その結果、2006年に臨床研究という形で私自身が酵素補充療法を受けられることになり、2007年に治療薬が日本でも承認・発売されました。現在、治療を始めてから7年になりますが、病気の進行が遅くなったと感じています。特に、50歳を過ぎた今でも呼吸機能が維持できているのは、治療の効果が大きいだろうと主治医の先生も話しています。
患者会のメンバーで呼吸や歩行が困難な方は大勢いますし、呼吸不全などで他界された方もいますので、呼吸機能が維持されているというのは、とてもありがたいことだと思っています。最近は、年齢的にも体力の衰えがあり、例えば左手で右腕の肘を支えないと右手を頭の後ろまで持っていくことができないのですが、主治医の先生が「それは五十肩だよ」と言うので、私も、筋力の衰えが出てきても歳だから仕方ないかと思って、なるべく年齢のせいにして、良いほうに考えることにしています。

病院と役所と職場と家庭、周囲からのさまざまなサポート ―治療と仕事との両立

私は以前、高校で生物の教師をしていました。ポンペ病と診断されてからも、しばらくの間は周囲に病気のことは伏せていたのですが、2003年にドイツで開催されたポンぺ病患者会の国際会議に日本の患者代表として参加することになったのを機に、職場にも病気のことを告げました。
酵素補充療法を受けるためには、2週間ごとに1日休むので、授業の時間割を組む時点で、授業のない曜日を調整してもらったり、また、落としたチョークを拾うことが難しかったので二人一組で授業を担当したり、周りの協力のお陰で治療と仕事を続けることができました。今はもう教壇には立っていませんが、同じ高校のコンピュータ準備室に勤務し、校内のパソコンのソフト管理や、教科書や資料の電子化などの業務にあたっています。
椅子からの起立には起立補助の器具を、歩行には杖を使っています。この起立補助の器具は特に医療用のものではなく、通販で見つけた高齢者向けのもので、高さが私にちょうどよいことから愛用しています(図)

図 起立補助の器具(左)と杖(右)

また、最近は近くの民間の福祉ケアサービスセンターに手配してもらい、入浴介助のサービスなどを受けています。このケアサービスセンターは、今年の5月に転倒し1ヵ月ほど入院した病院や障害者手帳の等級改訂(転倒入院前の3級から2級へ)の申請のために出向いた市役所の障害福祉課からのアドバイスで、さまざまな福祉サービスが受けられることを知り、自分でも色々探して見つけました。
病院と市役所の両方からアドバイスをもらえたことで、より良いサービスを受けることができたと思います。サービスが開始されるまでにはいろいろな手続きなどを面倒に感じましたが、一度始まってしまえば、良くも悪くも流れにのって動いていくものだということも知りました。私がこうしてポンぺ病と向き合いながら、治療と仕事を続けてこられた背景には、環境に恵まれ、周囲の理解と協力を得ることができたことが大きな要因としてあると感じています。