用語集

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イズロン酸-2-スルファターゼ<いずろんさん2するふぁたーぜ>
細胞のライソゾームの中にある酵素の1つで、グリコサミノグリカンという物質を分解します。
遺伝カウンセリング
遺伝に関わる悩みや疑問などを持たれている方々に、遺伝カウンセラー等の医療スタッフが遺伝性疾患や遺伝子に関連する最新の正しい情報を提供し、心理社会的支援を行いながら、相談者である患者さんやご家族の遺伝医療におけるさまざまな意思決定をサポートします。
遺伝子
遺伝子は、遺伝の基本単位であり、タンパク質の合成をコードするレシピのようなものです。遺伝子の情報により生命活動に必要なタンパク質が作られ、ヒトの筋肉や骨、血液などの各臓器の細胞の中では、それぞれ異なる遺伝子が発現し協調して働いています。ヒトの遺伝子はたくさんの種類がありますが、現在のところ約20,000種類と考えられています。
遺伝子治療<いでんしちりょう>
病気に関わる遺伝子の働きを抑制したり、補ったりするために、体の外から患者さんの体内に、病気に関連した「遺伝子」を導入する方法。ライソゾーム病の治療薬としては、現在研究開発中。
気管切開術<きかんせっかいじゅつ>
のどを切り開いて、気官の壁に穴を開けて気道を確保する手術。開けた穴には、管を入れて、穴が閉じないようにしています。
基質合成阻害療法<きしつごうせいそがいりょうほう>
酵素によって分解されるべき物質(基質)の蓄積を抑えるため、その物質(基質)の合成を抑える薬剤を投与する方法。
グリコーゲン<ぐりこーげん>
ブドウ糖がたくさんつながった物質で、エネルギー源の1つです。筋肉が収縮するときにエネルギー源として使われ、その結果、ブドウ糖に分解されます。
グリコサミノグリカン<ぐりこさみのぐりかん>
ムコ多糖と呼ばれる、糖がたくさんつながった物質の1つで、動物の軟骨や眼の角膜など、体のいろいろなところに含まれています。
グルコセレブロシダーゼ<ぐるこせれぶろしだーぜ>
細胞のライソゾームの中にある酵素の1つで、グルコセレブロシドという物質を分解します。
グルコセレブロシド<ぐるこせれぶろしど>
ライソゾームの中で、グルコセレブロシダーゼによって分解される、糖脂質の1つです。
グロボトリアオシルセラミド(GL-3)<ぐろぼとりあおしるせらみど(じーえる 3)>
ライソゾームの中で、α-ガラクトシダーゼによって分解される、糖脂質の1つです。グルコセレブロシドに比べ、糖が少し多くついています。
外科的治療<げかてきちりょう>
手術を行って治療する方法。
血小板<けっしょうばん>
血液中を流れる血球の1つで、血管が傷ついたときに傷口に集まり、血液が外に漏れ出さないように素早く傷口をふさぐ役割を果たしています。
酵素補充療法<こうそほじゅうりょうほう>
不足している酵素を、分子遺伝学の技術を使って生成し、補充する治療法。
誤嚥性肺炎<ごえんせいはいえん>
何らかの理由で、食べ物や異物を気管内に飲み込んでしまうことを誤嚥(ごえん)といいます。誤嚥した際に、唾液や胃液とともに流れ込んだ細菌が原因で生じた肺炎を「誤嚥性肺炎」といいます。
骨髄<こつずい>
骨髄は硬い骨に囲まれた内側の空洞の中に存在するスポンジ状の組織で、 赤血球、白血球、血小板などの血液細胞をつくる臓器(組織)です。
骨髄移植<こつずいいしょく>
何らかの理由で、体の中で正常な血液をつくることができない場合に、患者さんの骨髄を健康な人(ドナー)から提供された骨髄に置き換える方法。
酸性α-グルコシダーゼ<さんせいあるふぁ ぐるこしだーぜ>
細胞のライソゾームの中にある酵素の1つで、グリコーゲンというブドウ糖がたくさんつながった物質をブドウ糖(グルコース)に分解します。
斜視<しゃし>
片方の目は目標とする物の方向を向いているが、もう片方の目がその物とは別の方向を向いている状態のことです。目を動かす筋肉や神経に問題があることにより起こります。
シャペロン療法<しゃぺろんりょうほう>
遺伝子の変化によって、酵素(タンパク)がいびつな形をしており、うまく働かない場合があります。そのいびつな酵素に働きかけ、安定化させる物質を投与する方法。その安定化させる物質のことを「シャペロン」と呼びます。現在研究開発中。
常染色体<じょうせんしょくたい>
性別にかかわらず、共通してもっている染色体を常染色体と呼びます。ヒトの場合、22対(合計44本)の常染色体があります。
常染色体顕性遺伝(優性遺伝)<じょうせんしょくたいけんせいいでん(ゆうせいいでん)>
病気の原因となる「変化のある遺伝子」が、常染色体上にあり、2本ずつ対となっている染色体のうち、1本に変化があると発症する病気の遺伝の形式です。
常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)<じょうせんしょくたいせんせいいでん(れっせいいでん)>
病気の原因となる「変化のある遺伝子」が、常染色体上にあり、2本ずつ対となっている染色体のうち、2本ともに変化があると発症する病気の遺伝の形式です。
心機能障害<しんきのうしょうがい>
心臓に何らかの問題があって、心臓の働きが悪くなった状態のことをいいます。
腎機能障害<じんきのうしょうがい>
腎臓に何らかの問題があって、腎臓の働きが悪くなった状態のことをいいます。
心筋梗塞<しんきんこうそく>
心臓の表面を流れている、心臓のポンプを動かすためのエネルギー源となっている血管を「冠動脈(かんどうみゃく)」といいます。この冠動脈が狭くなって「完全にふさがって血液が通じない」ままになり、その部分の心臓の細胞が働かなくなった状態のことをいいます。
心筋症<しんきんしょう>
心臓の筋肉(心筋)が変化したために、心臓のポンプ機能が低下する状態のことをいいます。
新生児マススクリーニング<しんせいじますすくりーにんぐ>
赤ちゃんが生まれつきもっている代謝やホルモン異常の病気をいち早く見つけるため、産まれてから数日の間に、かかとに小さな針を刺して少量の血液を採る検査です。現在、新生児マススクリーニングが公費で実施されています。希望があれば「ファブリー病」、「ポンペ病」、「ゴーシェ病」、「ムコ多糖症」などのライソゾーム病についても新生児マススクリーニングに組み込むことができる医療機関が増えています。
心臓弁膜症<しんぞうべんまくしょう>
心臓では、血液が4つの部屋(右心房、右心室、左心房、左心室)を順番に流れており、それぞれの部屋と部屋との間には血液の逆流を防ぐための「弁」があります。何らかの原因によって弁の開きが悪くなり、血液がスムーズに流れにくくなったり、あるいは弁の閉じ合わせが悪くなったりして血液が逆流することを「心臓弁膜症」といいます。
心肥大<しんひだい>
心臓、特に心室の壁(心臓の筋肉)の厚みが、何らかの原因で厚くなったことをいいます。
心不全<しんふぜん>
心臓は全身に血液を送り続けるポンプとして、休むことなく働いています。そのポンプの働きが落ちてきている、すなわち、ポンプの「活動状況が不十分」になり、心臓から全身に血液を十分に送り出せなくなった状態のことです。
腎不全<じんふぜん>
腎臓の働きが悪くなり、体の中の捨てなければならないものや余分な水分が、血液の中にたまってしまう状態のことをいいます。
水頭症<すいとうしょう>
脳と脊髄の中と表面に存在する液体である「脳脊髄液」が過剰に脳内にたまった状態のことを水頭症といいます。何らかの原因で、「脳骨髄液」が正常以上につくられその吸収が追いつかない、あるいは髄液の循環がうまくいかないなどの理由が考えられます。
睡眠時無呼吸症候群<すいみんじむこきゅうしょうこうぐん>
睡眠中に無呼吸(10秒以上呼吸が止まること)を繰り返し、その結果、日中に眠くなる、熟睡感がないなどの症状が現れる疾患。具体的に「無呼吸の繰り返し」とは、ひと晩7時間の睡眠中に30回以上、あるいは1時間当たり5回以上の無呼吸を起こす状態をいいます。
性染色体<せいせんしょくたい>
性別の決定に関係している1対の染色体を、性染色体と呼びます。性別によって組み合わせが異なります。ヒトの場合には、X染色体とY染色体の2種類があり、女性はX染色体のペア(XX)、男性はX染色体とY染色体のペア(XY)となっています。
染色体<せんしょくたい>
細胞の核の中に含まれているDNAは、普段は核の中に広がっていますが、細胞が分裂するときには、コンパクトに折り畳まれ、顕微鏡などで確認できるようになります。これを染色体と呼びます。通常、染色体は対(ペア)で存在し、生物の種類によって、本数は決まっています。ヒトであれば、46本(23対)の染色体が観察できます。
僧房弁<そうぼうべん>
心臓では、血液が4つの部屋(右心房、右心室、左心房、左心室)を順番に流れており、それぞれの部屋と部屋との間には血液の逆流を防ぐための「弁」があります。4つある弁のうち、左心房と左心室の間にある弁を僧房弁と呼びます。
僧房弁閉鎖不全<そうぼうべんへいさふぜん>
左心房と左心室との間にある僧房弁が完全に閉じないために、左心室から大動脈へ送られる血液の一部が再び左心房へ戻ってくる状態のことです。
大腿骨頭壊死症<だいたいこっとうえししょう>
ももの大きな太い骨(大腿骨)の股関節をつくる部分(大腿骨頭)の一部が、血液の流れが低下した結果、骨の細胞や組織に必要とされる十分な血液が行き渡らないために、骨の組織が働かない状態となる病気です。
大動脈弁<だいどうみゃくべん>
心臓では、血液が4つの部屋(右心房、右心室、左心房、左心室)を順番に流れており、それぞれの部屋と部屋との間には血液の逆流を防ぐための「弁」があります。4つある弁のうち、左心室と大動脈(左心室から血液が流れ出る血管)の間にある弁を大動脈弁と呼びます。
大動脈弁閉鎖不全<だいどうみゃくべんへいさふぜん>
左心室と大動脈との間にある大動脈弁が完全に閉じないために、左心室から大動脈に送られる血液の一部が再び左心室に戻ってくる状態のことです。
脱腸(鼠径ヘルニア)<だっちょう(そけいへるにあ)>
ヘルニアとは、体の組織が正しい位置からはみ出した状態のことです。鼠径ヘルニアとは、本来ならお腹の中にあるはずの腹膜や腸の一部が、鼠径部(太もももしくは足の付け根の部分)の皮膚の下に出てくる下腹部の病気です。一般的には「脱腸」と呼ばれています。
たんぱく尿<たんぱくにょう>
尿には通常わずかな量のたんぱく質が含まれています。尿中のたんぱく質の量が通常より多くなった状態のことを、たんぱく尿といいます。
でべそ(臍ヘルニア)<でべそ(さいへるにあ)>
ヘルニアとは、体の組織が正しい位置からはみ出した状態のことです。臍の部分から、腸が脱出した状態のことを臍ヘルニアといいます。一般的には「でべそ」と呼ばれています。
認定遺伝カウンセラー®
日本遺伝カウンセリング学会と日本人類遺伝学会が共同認定する資格で、大学院に設置された認定遺伝カウンセラー養成専門課程を修了し、認定試験に合格したのち資格認定される保健医療・専門職です。
脳血管障害<のうけっかんしょうがい>
脳の血管が詰まる、あるいは破れるなどの異常によって、脳の組織の一部が一時的または持続的に働かなくなる状態のことです。「脳卒中」とは、脳血管障害のうち、「脳梗塞」、「脳出血」、「くも膜下出血」などの、突然起こる脳血管障害のことを指していいます。
脳梗塞<のうこうそく>
脳の血管が狭くなったり詰まったりして血液が流れなくなった部分の脳の神経細胞が働かなくなってしまう病気です。大きく、脳の血管に動脈硬化などの変化が起こる「脳血栓」と、脳以外の場所で血の塊ができて、それが脳に運ばれて血管を詰まらせる「脳塞栓」の2種類に分けられます。
脳脊髄液<のうせきずいえき>
脳と脊髄の中と表面に存在する液体を「脳脊髄液」といいます。略して「髄液」と呼ぶこともあります。
脳卒中<のうそっちゅう>
突然、脳の血管が破れるか詰まるかして、脳に血液が届かなくなり、脳の神経細胞が働かなくなる病気です。原因によって、脳梗塞(血管が詰まる)、脳出血(血管が破れる)、くも膜下出血(動脈瘤が破れる)、一過性脳虚血発作(TIA:脳梗塞の症状が短時間で消失する)に分けられます。
バイパス手術<ばいぱすしゅじゅつ>
狭くなったり詰まったりしている血管に、もう一度十分な血液が流れるよう回復させるため、詰まった血管に迂回路(バイパス)をつくる治療法のこと。
脾臓<ひぞう>
内臓の1つで、胃の左後ろ側にあります。赤血球をためておいたり、古くなった血球を破壊したり、リンパ球をつくったり、体を循環している血液の量を調節したりする役割を果たしています。
不整脈<ふせいみゃく>
心臓に問題があるため、脈の打ち方がおかしくなることを意味します。具体的には、脈がゆっくり打つ、速く打つ、または不規則に打つ状態を指します。
ヘテロ接合体
ファブリー病遺伝形式のひとつで、ファブリー病の女性において、変化のある遺伝子を1本持っている保因者のことを呼びます。症状が現れない人から、古典型のように症状が全身のさまざまな臓器・器官に現れる人まで、症状の程度は人によって大きく異なります。
弁機能障害<べんきのうしょうがい>
心臓では、血液が4つの部屋(右心房、右心室、左心房、左心室)を順番に流れており、それぞれの部屋と部屋との間には血液の逆流を防ぐための「弁」があります。この弁に何らかの問題があって、弁の働きが悪くなり、血液がスムーズに流れにくくなったり、血液が逆流するようになった状態のことをいいます。
保因者<ほいんしゃ>
2本ずつ対の染色体のうち、1本の染色体に「変化のある遺伝子」をもっていて、もう1本の染色体の遺伝子には変化がなく、一生、症状が現れない人のことをいいます。
網膜変性<もうまくへんせい>
網膜は、眼球の内側にあり、入ってきた光を刺激として受け取り、視神経に伝達する組織です。網膜に何らかの問題が起こる病気の総称です。
ライソゾーム<らいそぞーむ>
細胞は、新しい物質をつくり、体の成分としたりエネルギーとしている一方、古くなったものは分解して捨てています。細胞の中で、この古いものを分解する場所がライソゾームで、分解酵素がたくさん含まれています。「リソゾーム」と呼ばれることもあります。
緑内障<りょくないしょう>
何らかの原因で、目から入ってきた情報を脳に伝える役目をしている視神経が障害され、視野(見える範囲)が狭くなったり、部分的に見えなくなる病気です。眼圧(眼球内の圧力)が高くなっていることがその原因の1つといわれています。
レーザー治療<れーざーちりょう>
レーザー光をあてると、ある特定の生体部分の組織が選択的に壊れたり、刺激されたりします。この力を用いて症状を取り除く治療法のこと。
α-L-イズロニダーゼ<あるふぁ える いずろにだーぜ>
細胞のライソゾームの中にある酵素の1つで、グリコサミノグリカンという糖がたくさんつながった物質を分解します。
α-ガラクトシダーゼ(α-GAL)<あるふぁ がらくとしだーぜ(あるふぁぎゃる)>
細胞のライソゾームの中にある酵素の1つで、グロボトリアオシルセラミドという物質を分解します。
X連鎖性遺伝<えっくすれんさせいいでん>
病気に関係している遺伝子が性染色体のうち、X染色体にある場合はX連鎖性遺伝という形式で伝わります。
X連鎖性顕性遺伝(優性遺伝)<えっくすれんさせいけんせいいでん(ゆうせいいでん)>
病気の原因となる「変化のある遺伝子」が、X染色体上にあります。もっているX染色体のうち、1本に変化があると発症する病気の遺伝の形式です。
X連鎖性潜性遺伝(劣性遺伝)<えっくすれんさせいせんせいいでん(れっせいいでん)>
病気の原因となる「変化のある遺伝子」が、X染色体上にあり、もっているX染色体の全てに変化があると発症する病気の遺伝の形式です。男性はX染色体を1本、女性はX染色体を2本もっているため、一般的には、男性に症状が現れ、女性には症状は現れにくいと考えられています。
V-Pシャント術(脳室腹腔短絡術)<ぶいぴー しゃんとじゅつ(のうしつふっくうたんらくじゅつ)>
シャントは「短絡」という意味で、脳で吸収されなくなった脳脊髄液を体の別の場所に管で逃がしてやる手術のことをいいます。いわゆる迂回路をつくるバイパスのようなものです。逃がしてやる先として、お腹を使ったもの、つまり、脳とお腹を結ぶシャントを「脳室腹腔短絡術」と呼び、英語でいうと"ventriculo-peritoneal shunt"、略して「VPシャント」と呼びます。
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